永遠の唇が触れたオデコが
脈打つように熱を持ち始め

永遠の腕の中にずっと囚われていたいと気持ちまで甘く変化する

そんな脳内ピンクの私に


「じゃあそろそろ行くぞ」


「へ?何処に?」


「親父とお袋の所」


「・・・っ!」


永遠は一瞬で現実に引き戻した

そりゃそうだ
今日永遠は顔合わせの席に通達を持って現れた

てことは?


「挨拶を忘れて寝ちゃってるじゃんっ」


慌て過ぎて脳内お喋りが声に出る


「橘のジジィんとこ寄ったことも知ってるから焦んなくても大丈夫だ」


「え、でも」


好きな人のご両親に会うのに
後手に回ってるって・・・


プチパニックに陥る私を腕に抱いたまま

永遠は「大丈夫だ」優しい眼差しを向けてくれる


その瞳に頭は少し冷静さを取り戻して


「挨拶、行こう」


永遠の膝の上を解放してあげることが出来た


「鏡、ある?」


「ん?」


「変な顔してない?」


「千色は可愛い」


「そ、うじゃなくてっ」


揶揄うように笑う永遠に
今更ながら恥ずかしさが込み上げる


「真っ赤になって可愛いのな」


平然と甘いことを言う永遠の方を
なるべく見ないように

出してくれた鏡を覗き込む


「っ」


真っ赤になった頬と
泣いたまま寝た所為で目蓋の腫れた目の

イケテナイ私が見えた


「どうした」


「目、腫れてる」


「気にならねぇぞ?」


「私が気になる」


頬を膨らませてみると


「ムキになって可愛い」


また揶揄われた


そんなやり取りを何度もして
気分も目蓋も落ち着いた頃

手を繋いで永遠の部屋を出た