あの夏の日、家族で海に来た時だった。

僕は1人で迷子になって、うずくまって泣いていた。

その時だったよな、君と出会ったのは...。

君は僕に話しかけた。

「どうして泣いてるの?」って。

僕は言ったんだ

「お父さんとお母さんがいなくなっちゃった...。」

そしたら君は

「そうなんだ...。でも、貴方にとって今泣くことが正解なの?泣いてたって何も始まらないじゃない。貴方は今、ここにいるだけで何も行動していない。貴方が今、1番したいことは何?」

まだ幼い僕はその言葉を聞いて、ちょっと怖かった。正解?行動?何それ、今思えばその言葉は僕にとってまだよく分かんなかった。でも、その言葉にとても感謝しているんだよ。

「あ、ごめんね、ちょっときつい言い方をしたよね。今貴方は辛いはずなのに...。」

「私、海原 星(うみはら せい )って言う名前なんだ。貴方のお父さんとお母さん一緒に探してあげる。まずは、貴方の名前を知らなくちゃ、貴方の名前教えてくれる?」

星はそう言うと僕に手を差し伸べてくれた。僕はその手を受け取って、

「赤城 月夜 (あかぎ げつや )。」

「月夜君っていうんだ。いい名前ね。」

そう君は言ったんだ。僕はなんか照れくさくて、顔を背けたけど、一緒に探してくれる感謝を込めて

「あ、ありがとぅ...。」って言ったら

君は笑った。

その笑顔は今まで見た中で一番





綺麗だったんだ。