「驚いたぁ?」


「は...は、早く離して下さい!」


「えぇ~やだなぁ。さーやちゃん温かいし可愛いもん!」



この男一体何者?


そ、そうだ。


ホイッスル吹こう。


誰か助けてくれるはず。


ホイッスルを吹こうとしたその時。



「凜くん何やってるのかな~?」



と、現れたのは白鳥先輩だった。


た、た、助かった~。


黄海凜くんは私の腰から手を離し、つまらなさそうに体をくねらせる。



「ちょっとぉ、邪魔しないで下さいよぉ。仲良くなれるか試してたのにぃ」



試してた?


ハグで確かめるって何?


私のウエストの掴み心地を感じてどーするの?


立派なセクハラでしょ!



「ごめんね紗彩ちゃん。凜くんはちょっとスキンシップ多めなんだよね。俺らにも急に抱きついたり、耳を噛んだりワケわからないかもしれないけど、そういうやつなんだ」


「そうそう。僕異常だから。ごめんねぇ」



自覚アリで反省ナシ。


ここにいる間はずっとこんな感じなんだ、きっと。


はあ...


死ぬまでこことか有り得ない。


なんかヤバイ人しかいない予感。



「よし、俺今日は補講無いし手伝うよ。凜くんもやろうね」


「は~い!」



まあ、従順なのはよろしい。