「俺が幸せにします」

その瞬間、髪からコーヒーの香りがした。
和奏さんの動きが止まった。

きっとまた、驚いてる?
それとも理解できてない?
でも、我に返ったらきっと困るんだろう。

「俺の目に恋愛対象として映るのは、あんただけなんだ。だから、そんなこと決めつけないでよ」

絶対後悔させないから。

「ごめんなさい。わたし全然気づかなくて」

抱きしめられたまま和奏さんが言った。

「わかってます、そんなこと。だから、これから意識してください。俺のこと、ちゃんと異性として」


・・・・時が止まったようだ。
空気が微塵も動かない。