「え?ほんとにどうしたの?」

「もう『恋はしない』とか。『恋愛はやめる』とか言おうとしてるでしょ?」

「あ、とその」

「そんなこと言わせない。だいたいさっきなんて言った?慰める?そんな余裕ない。部長の奥さまが来るとか、全く想像してなかった。今だって、なんて言ったら正解かわからない。わからないけど、俺にも決意があるから、今日は譲れない!」

「ちょっと、今日の倉科くん変じゃない?ほんとにどうしちゃったの?!」

「そうだよ!変だよ!でもこれが俺だから!俺は、困らせても、何してもあんたが好きなんだ。不倫してても関係ない。慰めるとかで言ってんじゃない。俺は今日、告白するって決めてたんだ!」

そこまで一気に喋り通した。

まだ和奏さんは俺に圧倒されている。

「なのに、変な横槍入って、台無しだよ!でももう止められない!」

「同情してるんじゃないの?わたしのこと、自業自得だけど、惨めだから。慰めてくれてるんじゃないの?」

和奏さんは、目を見開いて俺をじっと見つめたまま確認するように問いかける。