「無理です」

速攻で返した。

そんなの無理に決まってるでしょ!

「なんの意味もなくこんなことになるわけないだろ!」

「倉科くん?」

俺の怒鳴り声に一瞬ビクッと体を震わせた。

「落ち着いて。心配かけてごめんなさい。でも倉科くんには関係ないことだから」

一生懸命冷静に言葉を紡ぐ和奏さんに、俺はカチンときた。

「そりゃあんたには関係ないだろうけど。俺にはあるから」

「え、なんで怒ってる?の」

あーもう!
なんでこんなに鈍感なんだよ!

椎名さんはすぐに見抜いたのに!

ドンッ!

「倉科くん?」

名前を呼ばれてハッ!とした。
が、時すでに遅し。

苛立ちに身を任せた俺は、気がつけば、和奏さんに壁ドンをしていた。