俺がしあわせにします

俺が無言でいたせいだろう。

「あー、ごめん!そんなヤワじゃなかったか?でも、俺も落ち込むことあるし、おまえはなんていうか、普段しっかりしてる分、繊細っつうか、ガラスみたいな気がするんだよな」

慌てて椎名さんが言葉を紡ぐ。

俺はそんなにわかりやすいのだろうか?
それとも、椎名さんがヒトの心を読むことに長けているのか?
同じことを言われたのは、これで2人目だった。

「いえ、前回よりダメージ少ないんで、大丈夫です。ご心配いただいて、すみません。ありがとうございます」

俺は正直に答えた。

「俺の勝手なお節介だから気にしないで。でも、


ヤケ酒くらい飲んでもいいかもな」

笑ってそう言った。

「はい、そうします。それでは、失礼します」

俺も笑顔で返して、電話を切った。

今夜はこのまま、目の端に映った映像が忘れられるくらい、酔っ払って眠ろうと思った。