誕生日の夜の予定なんて、一つしかないでしょ。
俺は決めつけて、本日、真実を確かめる作戦を考えていた。

会うのは会社の外だよな。
でも社内で会って、そのまま会社を出ることは可能だ。

例えば、俺がエントランスで待ち伏せしてたとして、二人で来て出て行ったとしても、それは決定的な証拠にならない。
もちろん可能性は高い。だけど、たまたま一緒になって駅まで行って、その先はそれぞれという可能性はないとは言えない。

俺だって、方向が一緒で声かけられれば、一緒に駅まで歩くくらいする。
和奏さんに断る理由は見当たらない。

手を繋いでいるとか、肩を抱いているとか、腕を絡ませてるとか、そんなことがあれば、決定的だって判断できるけどなぁ。

やっぱ尾行するしかないかぁ。
尾行すれば、例え空振りでも確かめることはできる。

あー、修二に尾行のコツとやり方聞いとけばよかったな。

そんなことを考えつつ仕事をしていたら、時間はあっという間に過ぎて、気づけば時計の針は17時半を指している。

定時まであと30分ほどだ。

俺は和奏さんにメッセージを送った。

『お疲れさまです。
和奏さんも今日は早く上がりますよね。
何時ごろになりそうですか?
鍵のこともあるし、俺も合わせるんで、教えてもらえると助かります』

送信っと!

パソコンモニターのブラウザのタブに1の文字が現れた。

『お疲れさま。
うん、18時半には出るつもり。
倉科くん大丈夫?
大丈夫なら、鍵はわたしがかけて帰るから
ダメそうだったら、遠慮なく言ってね』

18時半か。

『了解です。大丈夫です。
俺もそれまでに出ます』

『ありがとう。
じゃあ、わたしがかけて帰るわね』

『はい、ありがとうございます。
鍵よろしくお願いします!』

ウインクしてOKマークを作る女の子のスタンプが送られてきた。
任せて!ってところか

俺は頭を下げて「ありがとうございます!」って言ってるスタンプを返した。

定時を過ぎると続々と片付け始める。
我が企画部は3チーム、チーム宮原と仕事の鬼と評判の和奏さんの同期がリーダーのチーム蒼井、そして、次期部長候補がリーダーのチーム川島。チーム川島の人誕生日の夜の予定なんて、一つしかないでしょ。
俺は決めつけて、本日、真実を確かめる作戦を考えていた。

会うのは会社の外だよな。
でも社内で会って、そのまま会社を出ることは可能だ。

例えば、俺がエントランスで待ち伏せしてたとして、二人で来て出て行ったとしても、それは決定的な証拠にならない。
もちろん可能性は高い。だけど、たまたま一緒になって駅まで行って、その先はそれぞれという可能性はないとは言えない。

俺だって、方向が一緒で声かけられれば、一緒に駅まで歩くくらいする。
和奏さんに断る理由は見当たらない。

手を繋いでいるとか、肩を抱いているとか、腕を絡ませてるとか、そんなことがあれば、決定的だって判断できるけどなぁ。

やっぱ尾行するしかないかぁ。
尾行すれば、例え空振りでも確かめることはできる。

あー、修二に尾行のコツとやり方聞いとけばよかったな。

そんなことを考えつつ仕事をしていたら、時間はあっという間に過ぎて、気づけば時計の針は17時半を指している。

定時まであと30分ほどだ。