「あっそうだ!和奏さん、コレよかったらどうぞ」

俺はおいしいと評判のカスタードプリンを和奏さんに差し出した。

「え?でもこれ、倉科くんのでしょ?」

「誕生日プレゼントです。こんなもんで申し訳ないですけど」

俺はさらにプリンを押し出す。

「ううん、これ、美味しいってウワサのヤツだよね。嬉しい!!ありがとう」

いつもの破壊力抜群な艶やかな笑顔が炸裂した。

和奏さんは俺がプレゼントしたプリンを持ちながら、椎名さんを見る。

「俺のは咲葉のに、「込み」に決まってんだろ」

「へぇ、楽しみ〜!」

和奏さんは、サプライズプレゼントに上機嫌だ。

「じゃあ、俺そろそろ行くわ」

椎名さんが立ち上がった。

「ありがとう、咲葉にもお礼伝えてね」

和奏さんがプレンゼントを持ち上げて言った。

「ああ、倉科も近いうち、うち遊び来いよな」

「え?はい、ぜひ」

否定するのもなんか変な気がしたから、笑顔で返した。

「宮原もな」

今度は和奏さんに向けて。

「うん!もちろん!」

嬉しそうに返事する。
ほんとに好きなんだな。
この前も思ったことだけど、どんな人なんだろう、椎名さんの奥さんて。

そのまま外出する椎名さんを二人で見送った。