あれから社内の男性社員の後ろ姿を気にしつつ、何か新たな情報が掴めないか、様子を見ているが、和奏さんと相手の目撃証言をはじめ、何も掴むことはできないまま、半月ほどが過ぎた。

相変わらず、和奏さんは今日も真剣にモニターを見て、格闘しているようだ。
夏のイベント企画を考えて色々リサーチ中みたい。

もうすぐリーダー会議だし、張り切ってるんだろうな。


いつも通り彼女の勇姿を眺める。

あの日以来、和奏さんとあの話題には触れていない。

和奏さんから振ってくることはないだろうから、俺から話さない限り、今まで通り何も変わらず過ごせるのだろう。

俺の中には、どっちみち、早急に何かしようと思ってたわけじゃないし、もしかしたら間違いかもしれないし、このままでいいんじゃないか?

と今の関係を壊したくなくてビビって諦めかけてる俺と、いや、あの日の出来事の真実が知りたい!

と思う二人の俺が存在していた。