「倉科くん、これ」

今度は少し驚いて、顔を上げた。

俺は手を取ったまま、彼女と目を合わせる。

もう何度目かの告白。
いい加減ちょっと慣れてきたかもな。
この緊張感にも。

「和奏さん、好きです」


「俺が幸せにします」


「だから、結婚してください」



ひねりも何もない、俺のどストレートなプロポーズ。

和奏さんは、もう一度、指輪に視線を落とした。

俺はゆっくりと彼女の左手の薬指に視線を向けた。

彼女の指には俺の指輪が輝く。