「俺が幸せにします」

「え?そんな幸せってっ?え?」

俺の渾身のプロポーズに和奏さんは案の定、『そんなつもりじゃない』と急いで否定しようとする。

俺は椎名さんの教えを思い出して、スッと手を出して、彼女の台詞を遮った。

「ダメです。そんな言い訳は聞きません。大体前にも言いましたけど、和奏さんはうだうだ悩んでる余裕なんてないんですから、俺のことが好きならさっさと俺のものになってください!」

俺は、彼女の言葉に、表情に流されまいと、毅然な態度で言い切った。

呆気にとられていた和奏さんだったけど、気づけば、下を向いてしまっていた。

勢いつけて一気に言ったけど、もしかして言い過ぎた?
怒ってる?

「あの、あのですね」

ほんの少し後悔して、和奏さんの様子を伺うと、小さな声が聞こえた。


「はい」