「時間は取らせないわ。今は答えだけ伝えられればいいの。あのね、わたし・・・」

和奏さんもテンパってるのか、いきなり話出そうとする。

わーっ!待ってください!

「嫌です!俺こんなところ(改札前)で聞きたくないです。もう少し(俺の心が)落ち着けるところで、聞きたいです」

俺のいきなりの断りに面食らったのか、和奏さんの言葉が止まった。

そして、少し考えるように視線を巡らせて、提案した。

「倉科くんの時間さえ大丈夫なら、うちにする?」

え?和奏さんの家?

「え?時間は大丈夫ですけど、俺行ってもいいんですか?」

俺の質問がおかしく聞こえたのか、和奏さんは小首を傾げている。

え?俺そんな変なこと言ってる?
だって付き合ってもいないのに、こんな深夜に仮にも自分に気がある異性を部屋に上げるか?

いやいやないだろ?!普通

「うん、倉科くんうち知ってるし、帰れるからいいと思ったんだけど」

「あ、そうですね。はい、帰れますし、落ち着いて話聞けそうですね」

和奏さんのあまりにも正直な気持ちに、ドキドキが引いていく。

そうゆう展開は微塵も眼中にないらしい。

「じゃあ、いこっか」

和奏さんが、俺を促して歩き出す。