定時で上がり、夕飯を食べて、風呂も済ませて、テレビを見ながら、部屋でゆっくりと過ごしていると、

♫〜

テーブルの上の携帯が鳴った。

聞こえた音がメールではなく電話の着信音だと気づき、携帯の画面を確認した。

「和奏さん」

電話の相手は和奏さんだった。

俺は一瞬疑った。

和奏さんから連絡はよくある。
でもほとんどがメールかメッセージだ。
電話なんて、しかもこんな就業時間外に。
仕事に律儀な彼女では、考えにくい。

となれば、考えられるのは

・・・緊急事態。