「俺のこと、好きですか?」

この俺の質問の答えは、

「好き」でも「嫌い」でもなかった。

「今は言いたくない」

それが和奏さんの答えだった。

その答えが聞けるのは、一体どれくらい先なのだろう。

そのときを俺は待つしかないと思っていた。
今もそれは変わらない。

変わらないけど。

それが聞ける時が来る保証は、どこにもない。

それでも、何も変えられない。
それが椎名さんの言った「選べない」ということだ。

覚悟するより、この気持ちがなくなる方がラクなのか?

この先なんて求めずに、今までの楽しかったことも、ドキドキしたことも、悲しかったことも、ショックだったことも、ムカついたことも全部思い出にできたら。


その方が幸せなんだろうか?