これは試合終了の笛?

いや、じゃないよな?

これが終了だと思ったら、きっとまた修二たちにバカにされる。

早くなる鼓動を悟られないように、努めて冷静に返した。


「それはどうゆう意味ですか?」


「だから、言いたくないの」


言いたくない=???何?


嫌いと好きの間には そんな答えがあるのか?

本気の恋愛初心者の俺は混乱していた。


和奏さんは、マグカップを握りしめて、下を向いていた。

俺の驚きと疑問に染まったカオを、彼女は見ていない。

「ごめんなさい!今その話はできない。ほんとにごめんなさい」


フリーズしかけたアタマの中に一つのキーワードが入ってきた。

今・・・

これはもしかして、待ってたら答えがもらえるってこと?

じゃあ、試合続行だ


そのワードが俺に勇気をくれた。

「わかりました。待ちます」


「え?」

今度は和奏さんが想定外の返しに顔を上げた。

だからその目を見つめて、もう一度伝えた。