「なに?」


「和奏さんが不倫してたとか、不倫してた女と付き合ったら俺のイメージが悪くなるとか、俺を本気で好きな子が部署にいるとか、俺があなたの部下だとか、今あの人と付き合ってるから付き合えないとか、本気で恋愛する気ないとか、釣り合うとか釣り合わないとか、そうゆうこと全部ナシにして、答えてください」

俺は和奏さんの目を見て、ゆっくりと一番聞きたいことを聞いた。


「俺のこと、好きですか?」


飲もうと口へ近づけたマグカップを持っている手が止まった。

目を見開いている。

明らかに動揺している。

そして、マグカップを机に置いて、こう言った。

「答えたくない」

またしても予想していなかった答えに一瞬フリーズした。