俺の目を見つめて、和奏さんはきっぱりと言い切った。

そして、ほんの少し溢れ出た涙を指先でぬぐいながら。立ち上がり、部屋を出て行った。

残された俺は、倒れるように椅子に腰を下ろした。

背もたれに背中を預けて、そのまま天井を仰いだ。

それからしばらく記憶がない。

カチャっと控えめな音を立てて、入口のドアが開いた。
ような気がした。

足音が次第に近づき、俺のすぐそばで止まった。