「絶対なんてない!絶対にない!絶対なんて二度と言わないで!!」

すべてを否定するように、かぶりを思いっきり振って、和奏さんは泣きそうな声で叫んだ。

「わたしは、絶対なんか信じない。そんなものいらない!だって、そんなのないんだから!!」

深く傷ついたその目が真っ直ぐに俺を射抜く。

だめだ!思考を止めるな!
動かせ!
呑まれるな!

椎名さんが言ったのはこうゆうことなんだ。

受け入れちゃだめだ。

俺は自分でも驚くほど震えた声で言った。

「あ、あります。俺が証明しますから。だから、もう過去に囚われるのはやめてください。俺は過去はいらない・・・から」

「無理!過去じゃないもの」

え?過去じゃない?って

「え?それって」

「過去なんかじゃない。だから倉科くんとは付き合えない」