「おつかれさまです」

軽く会釈して向き直る。

「大丈夫か?この世の終わりみたいなカオしてるぞ、おまえ」

彼女のことになると俺のポーカーフェイスは面白いくらいに機能しない。

「そりゃどうも」

余計な詮索もごめんだと思って、取り合わないようにしてたのに。

「決まらなかったか」

え?

「それって」

思わず椎名さんを振り返ってしまった。

「顔に書いてあるよ」

「・・・」


「あいつとちゃんと話できたか?」

ちゃんと・・・

俺は少し考えて、静かに横に首を振った。

「やっぱりな。おまえは俺と同じ気持ち持ってると思うけど、優しすぎるんだよな」

「優しい?俺が?どうゆう意味ですか?」

俺は素直に疑問をぶつけた。