あーもう！
どうしてそんなこと今から考えるかな？この人は！！
ほんとにいい加減にしてください！

俺は和奏さんの言葉を遮って、言い切っていた。

「きっと何ですか？また不倫する？それとも違うことですか？そんなこと誰にもわからないでしょ？今考えるだけ無駄です！
ったく、だいたい何で俺が浮気することになってんの？ふざけないでください。想像でも許せません！それに和奏さんは、うだうだ考える歳じゃないでしょ？俺を好きなら、さっさと俺のものになってください！」

自分でも驚くほど、一気にまくし立てた。

和奏さんは目を丸くしていた。

椎名さんはくつくつと笑っていた。
が、やがて

「あっはは！わかる！そうだよな！好きなのに何で選択肢あるんだよって思うよな」

椎名さん、笑いすぎです。

そして、和奏さんを見て、ニヤけて言った。

「確かに眩しいかもな。でもさ、こんなに愛されてるのに、まだ言い訳するのか？優等生は『らしい』けどさ、今回は、素直になれよ」

そう言って、和奏さんの背中を俺に向かって押した。

和奏さんと俺の距離が縮まった。