「そうかもしれない。でも、その時思ったの。わたしなんかじゃだめだって」

え?!なにそれ?

どうし・・・

「眩しすぎて、きっと見ることもできないって。こんな気持ちのまま、一緒にいたって、彼を幸せにすることなんてできない。きっとわたしよりもっと似合う人が現れるって、ずっと考えちゃうよ」

和奏さん・・・?

「それで?おまえは自分より、その子の方があいつには似合うと思うから、あきらめるわけ?それとも自分が辛いから今の気持ちは封印するのか?」

椎名さん?
今度は少し怒ったような声が、聞こえてきた。

「だ、だって・・・ッ!」

「選べるなら選べ」

今度は冷たい色を含んでる。

「な、何よその言い方」

「覚えてるか?あのとき、おまえが泣いて俺に言ったとき、俺はおまえの言うこと聞かなかった。一番そばで応援してくれた、いつも親身になって助けてくれたおまえの頼みを聞かなかったよな」