主人が作ってくれた海の幸をふんだんに使った料理は塩味がきいていてどれもとても美味しかった。
 最初に飲み物と一緒に出てきた魚介と野菜を和えた料理は程よい酸味があって本気でほっぺたが落ちると思ったほどだ。
 ちなみにラグも今日は私と同じジュースを飲んでいる。とても不服そうに。

「あなたたち、どこから来たの?」

 お腹が大分ふくれてきた頃そう声を掛けてきたのはリディアンちゃんだった。
 先ほどの陽気な男たちはつい先ほど皆揃って帰っていき、店内に客は私たちだけになっていた。

 近くで見るとやっぱり可愛い。そしてエプロン越しでもわかるほどに胸が大きい。小柄なのに羨ましいくらいにスタイル抜群で先程の男たちがデレデレになるのも頷けた。
 そんな彼女の問いにセリーンが慎重に答えていく。

「ヴァロール港だ。サエタ港に向かっている途中だったんだが」

 彼女は更に訊いてきた。

「船から落ちたって、嵐にでも遭ったの?」
「いや、」
「海賊に襲われたんだ」

 セリーンを遮ってそう答えたのはラグだった。
 ――瞬間、リディアンちゃんの顔が強張るのがわかった。