あれからどのくらいの時間が経ったのだろう。窓がないので外の様子が全くわからない。
 ブゥがまだラグのポケットから出てこないのを見ると夜にはなっていないのかもしれない。それとも警戒して出てこないだけだろうか。

 部屋の臭いはさほど気にならなくなっていたが、そろそろ何か口に入れないとお腹が鳴ってしまいそうだ。

(なんて、私相当図太くなったなぁ)

 こんな状況下でもそこまで不安を感じていないのはやっぱりふたりがそばにいるお蔭だろう。

「アジトまで、あとどのくらいかかるんだろうね」
「さあな」

 ついついぼやいてしまうとすぐさま多分に怒気を含んだ声が返ってきた。
 無論ラグだ。ちなみに彼は未だに小さな姿のまま。