「海賊の頭にバレたんだ。もう隠す必要もないだろう? これで思う存分くっつけるな!」
「アホか! 今の話聞いてなかったのか少しは空気読めーー!」
「ちなみに私はこの素晴らしい呪いが解かれるのを阻止するために同行している」
「急に真面目ぶったって無駄だからな! 放せーーーー!」
「――ぶっはははははっ! なんだよそのザマはよ!」

 その声にびっくりして見ればグリスノートが床に座ったままお腹を抱えて爆笑していた。

(この反応は、初めてかも……)

 みんな大抵呆気にとられてしまって、こんなに笑ったりする人は今までいなかったのに。――と、そこで気づく。

(そういえば、グリスノートもリディも“術士”に対してはなんの偏見もないんだ)