「それで。俊樹とは その後 どうなったの。」

近くの レストランで 向かい合うと 礼奈は聞く。

「どうもなってないわよ。個人的に 話してないし。」

私の答えに

「はぁ? 悠香 何やっているの。」

と礼奈は 呆れた声を出す。



「だって 会社なのよ。何にもできないわ。」

私も 必死で 反論する。

「すれ違った時に ”あの時はどうも”って 話し掛ければいいじゃない。」

と礼奈は言うけれど。


「そんなこと できないよ。」

と私は 苦笑する。


俊樹は 迷惑かもしれない。

むしろ 嫌な思い出かもしれない。


それが わからないのに。

積極的に 声をかけるなんて できない。