幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

馬から降りたエヴァに、真っ先にシリウスが声をかける。そして、その髪に髪飾りをつけてあげていた。

「見事な腕だった。驚いたぞ」

バージルもエヴァに声をかける。するとエヴァは一瞬頬を赤くしたような気がした。その後に「ありがとうございます」という言葉が返ってくる。

「チェッ。お嬢ちゃんにまさか負けるとはなぁ」

「まぐれだよ。まぐれ!」

そう言う男性たちを無視し、バージルたちは移動することにした。



夕方までバージルたちは遊び、夕食をたくさん食べてそれぞれベッドへと入った。

「あいつは過去に何があったんだ……」

今日一日のエヴァを見て、バージルはわからなくなってしまった。寝返りを打ちながら、エヴァのことを考える。

アイヴィーの着るようなドレスを着て豪華な椅子に座っていたら、どこかにいる美しいお嬢様だろう。しかし、エヴァは馬術にも弓にも優れ、やはりただの軍人やお嬢様には見えない。

「早く記憶を取り戻して、お前の過去を教えてくれ……」