幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

「すごいですね」

かぐやが呟き、「行ってきます」とエヴァは弓を受け取る。「頑張れよ」とバージルは声をかけた。

エヴァは弓も使いこなせるのだろうとバージルは予想している。しかし、馬術に優れているかはわからない。なぜかバージルの胸が緊張でいっぱいになった。

エヴァは栗色の美しい毛並みの馬に跨がる。そしてゆっくりと最初は動き出し、徐々にスピードを上げていった。

「すごい!乗馬もできるんだ……」

シリウスが驚きの声を上げ、「本当に何でもできるんだね」とケイリーも感心する。

馬に乗るエヴァの横顔は、いつになく真剣なものだった。弓をゆっくり構え、神経を張り詰めているのがバージルに伝わる。そして、エヴァは弓を引いた。

エヴァの放った矢は、なんと真ん中に命中していた。シリウスたちは喜びの声を上げ、バージルもホッと胸を撫で下ろす。横を見れば、男性たちが驚きと悔しさが入り混じった顔をしていた。

「エヴァ、すごいね!」