幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

「……そんな……」

ケイリーは慌ててエイダンの家に向かった。そこはもう空き家になっていて、誰も住んでいない。本当にエイダンはいなくなってしまったのだとケイリーはまた涙をこぼした。

そして、何気なくポストを開けた時、そこに一枚の紙が入っていることに気付いた。それは村の地図と暗号だった。

「ある時は道しるべとなり、ある時は季節を教えてくれる。星のごとく輝くものの先に俺からのメッセージがある。スターダイオプサイドになることを祈る」

その暗号をケイリーは何度も読んだ。しかし、何もわからない。頭の中がぐちゃぐちゃになり、考えることをやめてしまう。

「どうしたらいいんだろう……」

そして、エイダンとの思い出はほろ苦いものに変わってしまった。



「そんなことがあったのですね」

「うん。未だにこの暗号は解けないんだ」

エヴァはケイリーが渡した暗号を熱心に見つめていた。ケイリーはエヴァなら解けるだろうと思っていた。部屋に緊張が漂う。しばらくして、エヴァが口を開いた。