「とにかく、早くヴィクトリアを連れて来い!!あと、ヴィクトリアの前にいなくなったウーヌスも!!スカーレットはどうだっていいが、ヴィクトリアとウーヌスは必ず連れて来い!!」

「はい」

ユダはペコリとお辞儀をし、部屋を出る。すると同じく部屋を出たメイソンに話しかけられた。

「今度、あいつらを見つけられなかったら俺が探しに行くからな」

「……わかっている」

メイソンの目は怒りに満ちていて、本気だとすぐにわかる。ユダは返事をした後、ヴィクトリアたちを探しに行く準備を始めた。



劇団で俳優として活躍するケイリー・ダンカンは緊張でいっぱいだった。

舞台に立つ前はいつも緊張するのだが、今日はいつも以上に緊張している。手が小刻みに震えていた。

「ケイリー、大丈夫?深呼吸しましょう」

いつもの豪華なドレスではなく、平民が着るような衣装のアイヴィーがケイリーの手を取る。愛しい恋人に手を握られ、ケイリーは胸を高鳴らせた。