「お、おはようございます……」

「可愛い!エヴァ、おはよう!!」

アイヴィーはエヴァをギュッと抱き締める。するとエヴァは驚いたように体を強張らせるが、そんなところもアイヴィーにとっては可愛くて仕方ないのだ。

「こらこら。エヴァが困ってる」

シリウスがそう言うまで、アイヴィーはエヴァから離れられない。

「ごめん、ごめん」

アイヴィーが体を離すと、「アイヴィー、僕ともハグしようよ」とケイリーが頰を膨らませながら言った。アイヴィーは胸を高鳴らせ、「もちろん!」とケイリーとハグをする。

「お二人は本当に仲がいいのですね」

エヴァの言葉に、アイヴィーは「ラブラブよ〜」と笑って言った。

ケイリーとしばらくハグをした後、アイヴィーはすぐに劇の稽古に入る。次の公演予定の劇に出演する人たちと休憩時間になるまでずっと練習するのだ。

エヴァは、劇団の仕事を手伝っている。衣装や小道具の係りを任されたらしい。たまに仕事をしている様子をアイヴィーは見かけるが、真剣な表情で黙々と仕事をこなしていた。