煌めくスポットライト、厳かな空気、それは人々を魅了する魔法の世界。

目の前で剣を構える彼女は、まるで本物の騎士のよう。いや、騎士よりもずっと強い何かに見える。その何かが何なのかはわからない。

僕たち役者は、自分たちの世界に観客を引き込むために努力を重ねるしかない。しかし、演劇とは無縁の世界にいるはずの彼女に、今、この瞬間、圧倒されている。

視線が絡まる。君が動き出す。その動作は素早いはずなのに、僕の目にはとてもゆっくりに見えた。

君にはきっと、この言葉が似合っている。虎視眈々。一騎当千。君はこの中の誰よりも強い。どこでそんな戦い方を覚えたの?

君を守れないことが、悔しい自分がいる。出会ってまだ数日。でもこんなにも君のことが気になってーーー。

ああ、この気持ちはもしかして……。