二つ目は、あなたにこの言葉を伝えたかった。私があなたの舞台を見て知った感情を。

「ーーー」という言葉を。

「人質の前で死ぬなんて滑稽だろう。かわいそうだから楽に逝かせてあげる」

レジーナはペロリと唇を舐め、「これで終わりね」と呟く。次に発せられる言葉は何かエヴァにはわかっている。そして、その言葉を発せられた数秒後、自分の命はこの世にないのだ。

「やめろ！！エヴァ！！エヴァ！！」

シリウスの泣き叫ぶ声、風の音、銃を構える音、全てをエヴァは焼き付ける。そして、涙をこぼしながら目を閉じた。

パンッ！！

銃声が響き渡る。しかし、エヴァの体には何の衝撃もなかった。エヴァが目を開けると、シリウスが驚いた顔をしている。

銃を構えていたマディソンとイザベルが撃たれてもがき苦しんでいた。そして、ユダが二人に向けて銃を向けている。

「ユダ！！貴様、エデンを裏切ったのか！！」

すぐに我に帰ったレジーナがユダを怒鳴りつける。するとユダは、「いや、最初からお前らの仲間ではないな」と言いポケットから手帳を取り出した。