レジーナに何度殴られても、脅されても、エヴァの心は変わらなかった。また悪に染まってしまえばもうシリウスたちに会えない。そう思ったのだ。

その結果、レジーナからは追放として処刑されることになってしまったが、悪にまたなってしまうよりはマシだとエヴァは微笑む。

前を見れば、レジーナはこの状況を楽しんでいるような表情だった。銃を構えている三人は、冷たい目をしている。そして、シリウスは未だに叫び続けていた。

「……シリウス……さん……」

呟いたエヴァの瞳から涙がこぼれる。そして、シリウスに心の中で話しかけた。

私、あなたに逢えて本当に幸せでした。

何も知らなかった私に、色々な世界を教えてくれた。友達や家族という存在を教えてくれた。あなたや皆さんと過ごした日々は、私にとってかけがいのないものです。

これで全て終わってしまうのなら、二つの願い事を叶えたかった。

一つは、もう一度あの子ーーーカレンに逢いたかった。もう一度手を取り合って、一緒に絵を描きたかった。