幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

ヴィクトリアのように武術にも武術にも優れた子どもは、軍人のような軍服を着て一日を過ごす。朝から晩まで訓練や毒などの勉強があるが、地上のことは何一つ教えてもらえない。

「……私は、レジーナ様の道具……」

数回ほどしか会ったことのないレジーナの顔を思い浮かべ、今日もヴィクトリアは武器を手にして訓練をする。ユダ・カミカゼ、マディソン、イザベル、メイソンの四人の幹部やレジーナに逆らうことはない。道具として戦うことしか生きる術を知らないからだ。

道徳を学ぶことがないため、ヴィクトリアはエデンを裏切った人間を殺したり傷つけることも日常の一部にあった。しかし、それらを躊躇うことはない。躊躇ってはならないのだ。

「ウーヌス、毒物の本を貸してくれてありがとう」

ヴィクトリアは数少ない話し相手であるウーヌスに声をかける。彼とは幼い頃から話す相手となっていた。

「ヴィクトリア、もう読み終わったのか。早いな」