幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

「よくやった」

マディソンが少女たちを褒め、メイソンが「裏切り者の始末が終わりました」と報告をしに行く。それを少女は見つめていた。

少女はヴィクトリアと呼ばれている。物心ついた頃から武術を教えられ、同じように武術を学ぶ誰よりも強くなっていた。否、ヴィクトリアが優れているのは武術だけではない。

「最も強力な毒を作ったのはヴィクトリア!みんなもヴィクトリアを見習うように!!」

イザベル・シャンディがヴィクトリアの作ったボツリヌストキシンAをとろけた目で見つめ、ヴィクトリアを褒める。彼女は武術だけでなく知能も優れており、簡単に強力な毒を作り出せるのだ。

「レジーナ様の願いを叶える強力な武器となる」

聖職者のような衣装を着た大人たちからヴィクトリアはそう幼い頃から言われていた。それは今も変わらない。

表向きは宗教団体であるエデンは、レジーナ・マティーニを中心に活動している。表の活動としては奉仕作業などだが、裏では幼い子どもに軍隊のような訓練をしているのだ。