幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

シャーロックがシリウスを見つめると、怯えたような目でエヴァもシリウスを見つめる。エヴァのそんな表情を見るのは初めてで、シリウスは緊張した。

「私のことを知ったら、あなたは私を嫌いになります」

エヴァは泣き出しそうな顔で言う。しかし、シリウスはエヴァを知りたいという気持ちの方が強かった。

「聞かせて。君の過去を」

シリウスはエヴァの手を取り、まっすぐに目を見つめる。エヴァは一瞬迷ったものの、口を開いた。



白く長い髪を一つに束ね、わずか十歳の少女は大きな銃を構える。少女だけではない。数人の少年少女が同じように武器を手にしていた。その先にいるのは生きた人間。

「や、やめてくれ!!エデンをもう裏切らない!!だから殺さないでくれ!!」

男性は泣き叫び、自分を縛る縄を解こうともがく。それを冷ややかな目で少女たちは見つめていた。

「撃て!!」

マディソン・ギムレットとメイソン・ジントニックが命じた刹那、少女たちは一斉に引き金を引く。銃弾は泣き叫ぶ人間の体を貫通し、命を一瞬にして奪った。