「話してくれてありがとう。気持ち、嬉しかった。頑張るよ。……本当に、ありがとう」

そう言った後、シリウスは優しく微笑む。かぐやも「はい!これからも脚本家としてよろしくお願いします」と言い、今度こそ部屋に戻った。

部屋に入ると、かぐやの目から涙が先ほどよりもあふれていく。それをかぐやは何度もぬぐい、シリウスとエヴァのことを考えていた。

「……幸せになって……」

醜い自分の隣には、シリウスはいるべきではない。だからこそ、想いを吐き出して捨てることを選んだのだ。

かぐやは知らない。ドアの前でエヴァが苦しげな表情でかぐやの泣き声を聞いていることを……。