「ありがとう。よろしくね」
「えっ!?」
彼の顔を見ると、
今までみたことがないくらい、
優しく、微笑んでいた。
こんなに嬉しそうにするんだ…
びっくりしてしまう。
「成瀬くん、私が彼女でもいいの?」
「え?水木さん以外は考えられないんだけど」
「ほえっ!?」
「僕、かなり水木さんのことが好きだよ?」
な、なにいってんの!?!?
「僕なりに優しくしたり、好意を伝えてたつもりなんだけど、全然気持ちが伝わってないのかな?」
え?
「ちょっと、待って。混乱してきた」
私の事が好き…?
私だけが一方的に好きなんだと思ってたけど…?
女子なら誰にでも優しいのかと思ってた。
そもそも、高校の女子は、私しかいないから分かんなかったんだけど…
「これから、いくらでも教えてあげるよ」
彼はニヤリと笑う。
耳元で囁かれ続ける「好き」の嵐。
彼の腕の中から開放されるまで、
かなりの時間がかかった…
【END】


