ホワイトデーに本命チョコを!



「ねぇ、僕に言ってよ」

「え?」


お礼の言葉?そういえば言ってない。


「…ありがとう?」

「違う」

拗ねたように、むっとしてしまった。

怒らせちゃった…?

わかんない…わかんないよ…

すると、彼の顔が近づいてくる。



「好きだよ」



私の耳元で囁かれた。


「って、言ってよ」

「聞いてたの?!」

「僕に向けて言ってるのは聞いてない」

「聞いてんじゃん!」

「いやだ、聞きたい」


恥ずかしいんだけど!?


「ちょっと、今は無理!恥ずい」

「駄目」


私を囲む腕が、少し強くなる。


「大丈夫。安心して言ってよ」


逃してもらえない状況に、


「…………す、好きです」


意気地なしの私でも、告白できた。