◇企◆スタートライン


「何よ」

「琉唯が、目を覚ました」

「!?」

やっぱり

「琉唯、目を覚ましたの・・・?」

「あぁ。つい先週な。
お前のことも忘れてねぇし、陽菜のことも覚えてる」

「・・・っ陽菜ぁ」

「良かったね?」

「うんっ」

「明日行くんだろ?
話して来いよ」

「琉唯、話せるの・・・?」

「あぁ。話せる。今は歩くリハビリしてるところだ」

「そっか」

明希には、笑顔がよく似合う。
だからこそ、琉唯君に早く来て欲しかった。
あんな状態の明希を放っておけるほどあたしも
鬼にはなれなかった

「明希。明日は目いっぱいお洒落しときなね?
明日の外出届、今から書いて出してきておいてあげるから」

「うん」