「あの時、この事、お前にちゃんと言っておけば
お前も勘違いしないまま。こんなことになることもなかっただろ」
「まぁ」
そりゃ、そうだ
「でも、それは、琉唯君にも言えるんじゃない?」
「琉唯にも?」
「そう。琉唯君に最初に言ってしまえば、きっと
明希もあんな風になることもなかったんだと思う。
だから、これは、明希たちにとっては試練だったんだよ。
どう乗り越えられるかの」
「そうか」
「うん。だから、陽樹ももう大丈夫でしょ?」
「あぁ」
「陽菜っ」
「明希。琉唯君も久しぶり」
「あぁ。悪かったな。明希が」
「いいの。明希が幸せなら。あたしも幸せだもの」
「陽菜・・・」
「でもね?もう、明希をあんな風にさせないでよ?
あたしからのお願いはそれだけ」
「分かってる。今から高校に入ってもきっと
1年は最低でも待たせる。それでも、明希を
お前の所で待たせてもいいか?」
「勿論。明希1人くらい、あたしでも養えるわ」
「陽菜~~」
「どした?」
「お隣が怖ーい」
隣が、怖い?
「陽樹?あんたが怖い顔してたら、明希も琉唯君も幸せになれないじゃない」
「あ?」
「怖ーい」
「陽樹、明希を怖がらせるなよ?」
「悪い。悪い。
俺も、陽菜に”また”本気になろうと思って」
はい!?
「おー」
「あたしも、応援するっ」
「サンキュ」



