◇企◆スタートライン


ご飯を少しだけ残して食べ終わった明希を待って
病院へ

「タクシーで行くの?」

「電車で行く?」

「いや」

「でしょう?」

だから、タクシーで行くのよ

「遅かったな?」

え?
「なんでいるの?」

「俺も行くから」

「は?」

「だーかーらー。俺も行くんだって
お前たちだけ行っても、病室案内されねーぞ」

「へ?」

「病室変わってんもん。アイツ」

「ふーん」

タクシーの助手席に乗った、陽樹と
後部座席に乗ったあたしと明希。

「明希。これ」

「え?なんで・・・」

「これがあれば、いつでも琉唯と話せるし
いつでも見れんだろ」

「い、いいの・・・?」

「あぁ。親父さんがお前へのプレゼントだってよ」

「そっか。パパからだったんだ」

「で、俺と琉唯の番号登録しておいたから」

「え?」

「琉唯が1番だけどな」

「良かった・・・」

「着きました」

「あ、ありがとうございます」

お金だけ払って、降りたと思ったらすぐに中に入っていった明希

「あーきー」

「そんな走るなよ」