猟師少女グレーテル

「グレー……テル……っ」

「お兄ちゃん、どうしたの?」

小さな声で、お兄ちゃんは私を呼ぶ。

「水……」

「分かった。ちょっと汲んでくる」

私は、壁に立て掛けておいた銃を背負って、お兄ちゃんの近く置いておいた水筒を手に取った。

「え?グレーテルちゃん、どこに行くの?」

「近くの川。この川の水は、お兄ちゃんの病気の症状が和らぐ効果の薬の原材料になるんだ」

カミーユさんにそう返し、私は家を飛び出した。



帰ってきた後、ラルフに薬を調合してもらった。

「ヘンゼル。ゆっくり飲むんだよ」

ラルフは、体を起こしたお兄ちゃんに、そう言って薬の入った水筒を渡す。

「ヘンゼルくん。おじや、作ったよ」

台所からカミーユさんが、姿を現した。良い香りに、私のお腹が鳴る。

「……あ、もう昼か……」

私は、壁に掛けられている時計を見上げながら呟いた。

「あはは……そろそろ、昼ご飯にしようか」

そう言って、ラルフは立ち上がった。



「そう言えば、何でカミーユさんは森にいたの?」

カミーユさんに、敬語はいらないからって言われて、敬語を使わずに問いかける。

「ただ迷っただけだよ」

「そうなんだ。恐怖の森って呼ばれてるから、誰も近づかないのに……」