『菜月ちょっとこっち来て』
言われたまま葵の後をついて行く。
葵の実家のリビング…
何とも緊張する。
急にお義母さん帰ってきたりしないよね?
『菜月髪染めてやるよ』
「え!いいの?」
葵はいつも突然。
葵に染めてもらいたくて
最近は染めていなかった。
毛先の方が明るくて完全にプリンだ。
「裏でこうやって作ってるんだね」
葵は慣れた手つきで
何種類もの薬剤を測って混ぜ合わせてる。
どんな色になるのか楽しみだなあ。
『座って』
葵の手つきは素早くて
ほんとうに仕事ができる人なんだなって思う。
優しくてずっとこうしてもらいたいです。
染め終わったら温かいカルピスを出してくれた。
まるで本当にサロンにきたみたい。


