“特等席”で口説くこと一週間。


『宮本さん、大好きです』


…ともあれ、無事に口説き落とせて、勢いじゃなく、『彼女でいたい』と思ってくれてよかった、かな。


麻衣を腕に閉じ込める部屋の中。その温かさに思わず頰が緩む。

本当に麻衣は温かい。実際にこうして触れてみると、余計にそれを感じる。1週間前の告白された日にほっぺたに触れて、そこからずっと思っている。


“麻衣に触れていたい”って。


麻衣と居て、麻衣を知っていくたびに、その想いはどんどんと強くなって行って。もっと抱きしめたくなる。実際、抱きしめると気持ちが落ち着いて、体の中からポカポカとしてくる感じがする。


俺の背中に麻衣の腕が周ってきて、俺ももっと麻衣を引き寄せた。


…本当に、良かった。無期限で彼女になってくれて。


「……。」


うん、まあ……そう、彼女になったんだよね、ちゃんと。

じゃあ、もう遠慮する必要はない。


「……麻衣、一応先に謝っとく。」
「え……?っ!」


首筋に鼻をすり寄せて、唇を押し当てた。
片方の腕で麻衣を抱き寄せたまま、少しずつ、顎下、鎖骨って唇をくっつけて。


「み、宮本さん…」


俺を押す手をもう片方の手で捕まえる。


「わ、私…あ、汗…臭いかも…シャワーを…」
「何、シャワー浴びたいの?何で?」


耳元でわざと囁いたら、頬がさっきよりも真っ赤。
そこからじわじわと侵食して赤くなった耳たぶを唇で挟んでからキスをした。


「…俺、部屋に入る時聞いたよね?『良いの?』って。」


それに、一応謝った、さっき。


「問答無用です。」
「も、もん?んん…」


申し訳ないけど、シャワーは後。
イイ大人なのにそんなにがっつくなんてどうかとは思うけど。
ここまで禁欲強いられてたんで、ちょっとだけワガママ、聞いて貰います。


唇を塞いで舌を絡ませると、腰から更に抱き寄せる。
捕らえていた麻衣の手を自分に首に回させた。



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