「…ど、どうして伊織くんが謝ってるの……?わたし…別に伊織くんに謝られることなんて何もされてないよっ……?」


わたしがそう言っても、彼は悲しそうな顔で首を横に振るばかり。


結局、伊織くんが何に対してわたしに謝ったのかは分からなかった。




でも、悲しそうな顔で首を横に振りながら謝る彼の表情は、頭の奥に焼きついて離れなかった…




…………………………




『えー、かくれんぼ?』


『せっかくここまで来たんだから、探検しようよ!』


『それ、迷ったらどうするの?』


『まあそれはなんとかしてくれるんじゃない?伶斗とか伶斗とか、秋斗とか秋斗とかが』


『……佳菜子お前、いくつだよ?』


『二十歳にもなって俺ら頼りかよ…』


『悪い悪い!でも私、極度の方向音痴だからさ、そういう系は無理なわけよ』