死にたくない、光ちゃんを苦しめたくない。
わたしがどんなにそう想っても、あの時事故に遭って大量の血を流していたわたしは、確実に死に近づいていた。
声もあげられないくらい全身が痛くて痛くて、嫌でもわたしは助からないことを悟るしかなかった。
そして、死を悟るまでにそう時間は掛からなかった。
───ああ、わたし、死ぬんだ。
そう思った瞬間、真っ先に思い浮かんだのは光ちゃんではなく、伊織くんの顔と言葉だった。
『……俺、友梨乃のことが好きだ』
『……ずっと前から好きだった』
『…俺には、あの日からキミしか映らない』
伊織くんはわたしに真っ直ぐに“好きだ”と伝えてくれたのに、わたしはまだちゃんと“好き”だと言えていなかった。



