ギュッ
俺は気づいたらゆりを力いっぱい抱きしめていた。
「…っ、え……い、いおりくん……?」
「……ごめん。…ごめんな、ゆり……」
ゆりには謝っても謝り足りないのは事実だけど、本当に言いたいのはそんなことじゃない。
それなのに、ごめんとひたすらその言葉しか出てこなかった…
……きっと、自分が想うより俺の心は限界に近かったんだと想う。
自分は今、どうするべきなのか、何をどうしたいのか。
見えない自分の心の闇の中をただひたすらに彷徨う。
「…ど、どうして伊織くんが謝ってるの……?わたし…別に伊織くんに謝られることなんて何もされてないよっ……?」
ゆりは何故俺が謝っているのか分からない様子で、でも、伊織くんは悪くないよって必死に訴えかけてくれているように見えた。



