「…あの時からずっと、キミの顔が、頭の奥に焼きついて離れないんだ。なんでだろう…ずっと考えてたけど、ある時突然答えが出たんだ。俺はきっと……キミに恋してるんだって」




……目を閉じると思い出す。


あの時のキミの顔を……


五年たった今でも鮮明に覚えているし、きっとこれからも忘れることはないだろう。




ゆっくりと目を開けると、あの頃の懐かしさに浸っていた俺とは反対に、友梨乃は微かに震えていた。




「光ちゃんっ……」


その言葉と共に、彼女の頬に一筋の涙がつたう。


…!


どうして泣くのか分からず、俺は無意識に彼女の名前を呼んでいた。




「……友梨乃?」


「……っ!やめて!!その名前を、呼ばないでっ……」




……!?


俺の友梨乃と呼んだ声にあからさまにビクッと反応する。